児童労働と社会問題がテーマの絵本、おすすめリストはこれだ!
子どもの貧困や社会問題について知りたい!
世界の情勢について考えたい!
大人も考えさせられる絵本が読みたい!
人権問題を扱った絵本が多数出ていますので、
読んでみて社会を考えてみませんか?
児童労働がテーマの絵本をご紹介します。
児童労働を知る絵本
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子どもの貧困は、数年前から日本でも叫ばれるようになってきました。
もう、どこか遠い国のお話ではなくなってきています。
でも、難しい話を考えるのは苦手…
そう思ったら、絵本を読んで、知っていきませんか?
これからの未来や子ども達のため、そして自分の今後のために、
何ができるか考えていけるかもしれません。
- カカオ畑で働く少年の「そのこ」
- インドの綿花畑で働く少女の
「ふたり★おなじ星のうえで」 - 絨毯の工場で働き、自由を訴えた少年と、
学ぶ権利を訴えた少女の実話
「マララとイクバル パキスタンのゆうかんな子どもたち」
実は、自分達の身近にあふれる色んなものが、
子ども達の労働によって作られているのです。
そのこ
そのこはとおくにいる
そのこはぼくのともだちじゃない
でもぼくはしってる
ぼくがともだちとあそんでいるとき
そのこがひとりではたらいているのを
ぼくががっこうできょうかしょをよんでいるとき
そのこはしゃがんでじめんをみつめている
引用元 絵本「そのこ」
これは、アフリカの暑い中でカカオ採取のため働く少年と、
日本の一般的な恵まれた暮らしをする少年、
2人の対比を描いた絵本です。
国語の教科書に出てきそうな感じ。
ごく普通で当たり前と感じているような暮らしが、
時と場所が変わればそれが当たり前じゃないのです。
何気なく食べているチョコレートが、
実は子どもの労働によって成り立っていることを知り、
困った人達のためには何ができるか、
社会問題を考えるきっかけをくれる絵本ですよ。
著者は詩人としても絵本作家としても有名な谷川俊太郎さんです。
ふたり★おなじ星のうえで
ベッドのなかで
春佳はかんがえた。
「とうさんは
インドでは
綿花ばたけで、
いまでも
ちいさなこどもが
はたらいていると
はなしてくれたけど、
すごくあつい、
こかげもないはたけで
いちにちじゅう
はたらくのって、
どんなきもちだろう。
そのこたちには、
どんな夢が
あるんだろう」
引用元 絵本「ふたり★おなじ星のうえで」
こちらも、著者は谷川俊太郎さん。
「そのこ」の女の子バージョンといった感じです。
2000年代の日本のごく普通の少女春佳さんと、
インドの綿花畑で働くラマデビさんの対比を描いた絵本。
全く接点がないという訳でもないんですね。
春佳さんは服飾会社に勤める父からTシャツをもらいます。
その時に、シャツの原料が綿花であることや、
インドの綿花畑では子ども達が働かされていることを知るのです。
フォトジャーナリストによる現実をしっかり映した写真、
社会の資料集のように児童労働について描く巻末ページは必見です。
→「ふたり★おなじ星のうえで」をもう少し知りたい方はこちら!
マララとイクバル パキスタンのゆうかんな子どもたち
「ぼくたちは、自由なんだよ!」
イクバルは、ゆうかんな男の子でした。
四歳のときから絨毯工場で働きはじめ、
十歳で解放されてからは、児童労働に対し、声をあげました、
銃弾に倒れる日まで―。
子どもたちに希望を与えた少年 イクバルの物語
「なぜ女の子は学校にいけないの?」
マララは、ゆうかんな女の子でした。
女の子が学校に通う権利を訴えつづけ、
そしてある日、タリバンの兵士に撃たれてしまいます―。
ノーベル賞平和賞を受賞した少女 マララの物語
引用元 絵本「マララとイクバル パキスタンのゆうかんな子どもたち」
これは、パキスタンの2人の少年少女の実話。
この2人のスゴイところ、多くの人に勇気を与えたところは、
子ども達のために「子ども自身で」権利を主張し声を上げたのです。
イクバルさんは、当時10代前半の少年。
親の借金のために、4歳から、朝から晩まで工場で働かされましたが、
「債務児童労働は禁止されている」ことを知り、
10歳で解放され、「ぼくたちは自由だ」とみんなに叫ぶのです。
当時この辺りの絨毯業界も児童労働の温床になっていたようです。
12歳の時に銃撃され、この世を去ってしまいますが、
イクバルさんの意志を受け付いた子ども達が各地に誕生します。
その1人が、もう一方の主人公マララさん。
国の武力勢力から「女の子は勉強をするな、学校に行くな」と脅されますが
11歳にして公の場で、教育の重要性を話し、勉強を続けます。
マララさんも突然銃撃を受けますが奇跡的に一命をとりとめ、
16歳で、国連であのスピーチをするのです。
ひとりのこども、ひとりの先生、1さつの本、1本のペンが、せかいをかえるのです
2人とも、子どもでありながら勇敢に声を上げたのがスゴイ。
多くの子ども達に勇気を与えてくれるノンフィクション絵本です。
→「マララとイクバル パキスタンのゆうかんな子どもたち」をもう少し知りたい方はこちら!
絵本が伝えたいこと・学ぶ意義
児童労働をテーマにした絵本は、他にもたくさんあります。
シャツの綿花や、チョコレートのカカオ、絨毯…
たくさんの身近なものが子どもの搾取によって出来ている現実があります。
色んな境遇で格差があることを、まず知るのが必要です。
「貧しい人がいる、それに比べて私は恵まれているから我慢しなきゃ」という風に、
何か苦痛を耐えたりと、我慢教育のために使われてはなりません。
ましてや、「自分はまだマシ」と他者と比べて安心するためでもありません。
2019年春に話題になった東京大学入学式、
上野千鶴子さんの祝辞がありますよね。
「努力して勝ち上がってきたと思っているものは、
実は自分の努力だけではない。
周りのサポートがあって才能の花は開く。
しかし、生まれもった環境で
努力のスタートラインにすら立てない人がいる。」
あの祝辞で上野さんが伝えたかったことはこういうこと。
あなたたちのがんばりを、
どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。
恵まれた環境と恵まれた能力とを、
恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、
そういうひとびとを助けるために使ってください。
引用元 東京大学公式サイト「平成31年度東京大学学部入学式 祝辞」
「そのこ」のような社会問題をテーマにした絵本の役割とは?
- 多くの子どもや大人に問題を知ってもらい
- たくさんの人がみんなの幸せのために動けるようにする
本来ならば、たくさん遊び、好きなことを見つけ、学べるはずの子ども時代。
だけれど、貧困や紛争によってそれができず、
知識もスキルも得られないまま大人になってしまう。
自分で考えて選ぶことができず、搾取されたままの生活を送ってしまう。
児童労働は、当たり前の子どもの権利が大きく侵害されているから問題なのです。
自分が学べる環境にあるならば、それを社会のためにどう還元するのか?という
「ノブレスオブリージュ」「福祉」「相互扶助」を教えるためなのです。
フェアトレード
児童労働などをして不正で安価なルートで製品を流通させないように、
適正な価格でものを買い、生産側を搾取しないようにと、
「フェアトレード」がここ数年で選ばれるようになってきています。
日本にも窓口があります。
主にチョコ・綿・コーヒー・ハチミツなどが取り扱われています。
まとめ
難しい、暗いと感じる児童労働や社会問題を、
絵本で学び、何ができるか考えていきましょう!
- カカオ採取で働く少年を描く「そのこ」
- シャツの綿花の採取のために働く少女を描く
「ふたり★おなじ星のうえで」 - 子どもの権利のために声を上げた少年少女の実話
「マララとイクバル パキスタンのゆうかんな子どもたち」
大人の読書感想文や勉強にもおすすめですよ!