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レッジョ・エミリア・アプローチとは?世界が注目の教育メソッド?!

2019/12/03
 
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れれれ…?れっじょ???????

なんだそれ?
レッジョエミリア?
それもそのはず、日本ではまだまだ知名度が低い「レッジョエミリアアプローチ」。

世界では既に「最も革新的な教育」として大注目の教育方法?!

自由・子ども達の民主主義・人権を大事にする、優しくて素敵な保育です!

レッジョエミリアアプローチとは?

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教育に正解はないけれど、時代によって価値観は変わります。
そして「子ども観」も変わるのです。

昔むかしは、「子どもは小さい大人」と考えられていて、大人と違う特性があることやこの時期にやるべき大切なことがある、ということを理解されていませんでした。
大人の所有物で、いずれ労働力にするため、働かせるための人間といいますか…。

現代になり、やっと、子どもにも意思・人権があることを理解されるようになりました。
これはとても大きい前進です。

そこで「子どもを一人の人間として尊重し、自由に遊び行動し議論する保育」として支持されてきたのが、レッジョエミリアという教育方法なのです。

世界で大注目の「最も革新的な教育」!

レッジョエミリアとは、イタリアにある街の名前。
戦後、その街で子どもを集め、新しい幼児教育のための学校「アジーロ・デル・ポポロ」が創立されました。
開いたのはロリス・マラグッツィという人。
意外にもこの教育法の歴史は60年くらいに及びます。

このレッジョエミリアアプローチが世界から注目されるようになったのは、1991年2月。
雑誌Newsweekで「世界で最も先進的な初期教育のための施設」
と取り上げられたことが発端です。

レッジョエミリアを少し知る人からは、「自由なアートの指導方法」として捉えられがち。
でも、絵画製作だけを指しているのではありません。
幼児教育全体の考え方や思想や理念や哲学といえる、とレッジョエミリアの先生の著書でも語られています。

このメソッドを取り入れる教育機関は世界中に広がっています。
日本国内にはまだ、レッジョアプローチの協会や団体がなく、海外の協会に直接コンタクトをとったりワークショップに行ったりしないと、なかなか情報が得られないようです。
それも日本で知名度が低い要因になっています。

日本でレッジョエミリアの保育を実践したアレッサンドラ先生。
この先生の著書を読んだ私が、レッジョエミリアの保育で大切にしているものをまとめますと…?

・子どもの自主性
・子どもの言葉と民主主義
・美しさと、本物のツール
・フレキシブルな教職員の対応

子どもの自主性

レッジョエミリアの保育は、「コーナー保育」「自由保育」のようなものだと考えています。
時間でコマのように区切られたカリキュラムがありません。
登園した後に、朝の会のような集会の時間があったり、昼食や午睡もありますが、それ以外は皆がやりたいことを好きなだけやれるようになっています。

友だちと話し合って決めて一緒におままごとをする
一人で蝶々を観察する等、
自分達でその日の過ごし方を考えていいのです。

日本の学校教育では、きちんと管理され、何かに特化するのではなくまんべんなく取り組み、全員が同じ動きをすることを求めます。
これが当たり前と思っていると、「子どもの自主性や自由や意思を尊重する」ということを大人は勘違いします。
「各々が勝手気ままに散らかして、思い通りにならなければ暴れてわがままなのでは?」と。

子どもの自由を尊重する教育は、決して無法地帯ではありません。

大人でも、嫌なことは気が進まないし、長時間の集中力も持たないし、ましてや上達することなんてありません。
やりたくないんですから。
それは子どもも同じです。

好きなこと、やってみたいこととなれば、子どもは驚異の集中力と持続力を見せ、成長します。

それに、「我慢しろ」「みんなと同じに」と抑圧されてきた子どもが、どう育つかなんて、容易に想像つきますよね?
他人に不寛容で、「あんたも私と一緒に我慢しろ!ズルイ!」と他人の言動を制限しようとするでしょう。

子どもの言葉と民主主義

レッジョエミリアの保育で毎日欠かさないのが「アッセンブレア」という、朝の会のようなもの。

皆で「今日はこんなことをしたい」「昨日までの自分のグループ活動の経過の報告」を話し合ったり、新しく亀を飼えばその名前を決めるのに長い時間をかけて議論したり投票をして決めたり、なんてこともあります。

ここで教職員が余計な口を挟んだり、「時間だからおしまい!」と無理に切り上げることは不要。
意外と、子ども達は自分達で話し合い、解決策を出していけるのです。
意見がぶつかるのも何ら悪いことではないので、納得するまで話し合います。

納得できなかったグループが翌日異議申し立てをすることもあるようですが、それも子ども達で話し合い、道を見つけるのだから素晴らしいですよね。

このようにネゴシエーションの能力(話し合い交渉し解決する能力)は、子どもは元々持っている
とレッジョエミリアの教職員は考えています。

レッジョエミリアは自分の好きなことに熱中できる場であるけれど、皆との話し合いをして民主主義を学ぶ場でもあるのです。

レッジョエミリアの先生の著書ではミラーニューロンについても触れられています。
子ども達同士で話し合い、友だちや先生の表情や言動に触れていくと、他人に共感できる優しい人間へと成長することでしょう。

関連記事 ミラーニューロンって何?共感する脳神経細胞?

フレキシブルな教職員の対応

朝の会で、今日〇〇をしたい!と話し合えば、それをしたい子達がグループを作ります。
他にやりたいことがある子は他のグループで活動します。
前日の活動の続きをすることもできます。
一人でいても「友だちの輪に入りなさい」と否定されることもありません。
個人個人の想いは尊重されて、自由に遊んで過ごすことができます。

昼食などの時間になれば、無理矢理片付けさせられるのではなく、その途中の状態を保持して保管してもらうこともでき、後で再開することができます。

「フレキシブル」、先生達には柔軟な対応が求められます。
子どもによって一人一人やりたいことや考えていることは違います。
そして、時と状況によってもやりたいことが変化します。
それに柔軟に対応し、叶えられるよう支援していくには、フレキシブルな環境と教職員が必要です。

頭が固くてはやっていけないよ、ってことですね!

美しさと、本物のツール

子ども達が遊んだり自分の研究に没頭したりするためには、余計なお世話で配慮された「子ども用」なんてものは必要ないのでしょう。
子ども達が求めているのは本物なのです。

レッジョエミリアはイタリアの街。
イタリアには美術館も人々の身近にあり、昔からアートが深く根ざした生活をしています。
いわば美の街!
レッジョエミリアの園の内外は、建築やアートの専門的知識も取り入れ、美的感覚を刺激するように整備されています。

日々子ども達が作り上げた作品も、園内の目立つ場所にきれいに飾ります。
美しいものに触れることをとても大事にしているのです。

日本の保育現場にはポップでメルヘンなキャラクターや動物のイラストがたくさんありますよね。
それももしかしたら、子ども騙しなのかもしれないなあ…と思わされてしまいます。

また、使う教材も本物!

子ども向けのおもちゃスマホとかは使いません。
子ども達が本気で何かに取り組み作り上げ実現したいことがあるなら、そういったニセモノではだめなのです。

タブレット
パソコン
デジカメ
OHP
アクリル絵具
針金などなど
普通の園では触らせてくれないようなものでも、子どもが自分でトライできるようになっています。
勿論、安全には十分配慮されていて、職員の目も行き届いています。

虫のことがすごく好きな子がいたら?

  1. じっくり観察
  2. iPadを使って虫の声を録音
  3. 羽の写真を撮ってOHPでみんなに見せる
  4. 自分で描いた虫の絵をパワーポイントで動かす

こんな一連の流れを、子ども自身が考え取り組んでいくのです。
すご!!!!!!!
先生は押しつけがましく「あれをやれ」と言わず、子どものその時の気分に寄り添って提案したり、パソコンの使い方を教えたり、あくまで補佐役に努めるのです!

レッジョエミリアは自然との触れ合いを大切にしているけれど、今の時代に合わせてフレキシブルに、子どものやりたいことを叶えるために、IT機器もしっかり使って本気でチャレンジするんですね。

レッジョエミリアが目指す成長

レッジョエミリアの保育で、目指しているのは、子どもの成長。

  • 自分で考え行動できる
  • 集中して、好きなことに全力で取り組む
  • みんなで話し合い議論し、民主主義の基本を体に浸透させる
  • 話し合いや触れ合いを通して、他人に共感する優しい心を持つ
  • 指示待ち人間にならず、主体的に行動する

上で紹介した参考文献「レッジョ・アプローチ」のレビューには「具体的にどんなことをすればいいのか書いてなくて残念」みたいな口コミも…。
著者のアレッサンドラ・ミラーニ先生が問題視しているのは、それ!

具体的に指示をされないと動けないような「指示待ち人間」!
これに批判的であることが分かります。
この本を読めば、十分レッジョエミリアについての理念も伝わってきましたし、何より「フレキシブルでよい」と書かれています。
時代や国や文化や個人の状況に合わせて、柔軟に変えて教育を展開し、みんなでこのレッジョアプローチを進化させていこうと仰っています。

この世界は民主主義で、みんなで話し合って社会を作り上げていくようになっています。
そして誰もが、その社会の一員。
それを子どものうちから、朝の会の話し合いで体験して学べるのもレッジョエミリアの魅力の一つ。
これは立派な「主権者教育」ですね。

関連記事 主権者教育って何?分かりやすく学べる絵本があるよ

レッジョエミリア独特の用語も有名で、「アート専門職員」「保育記録」についての理解も必要です!
長くなりますので別記事で解説いたします。

関連記事 レッジョエミリアの専門用語を解説!

まとめ

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レッジョエミリアアプローチという保育は、これからどんどん注目されるでしょう。

  • 子どものやりたいことや意志を尊重し、没頭できる環境
  • 大人は何かを促そうとせず、見守り、適宜ヒントを与えてサポートする
  • 道具も本物を使ってとことん追求する
  • 子ども達同士での話し合いから民主主義の基礎を学ぶ

それはつまり、子どもの人権を尊重した、子どもにも先生にも親にも優しい幸せな保育。

そして、レッジョエミリアの保育によって子どもはどう成長するか?

  • 自分で考え主体的に行動できる
  • 集中して、好きなことに全力で取り組む
  • みんなで話し合い議論し、社会の一員として園生活を作っていく
  • 話し合いや触れ合いを通して、他人に共感する優しい心を持つ

このレッジョエミリアの考え方を活かした関わり方、保育や教育だけでなく、各家庭での子育てにも十分取り入れられますよ。
大人はもっと楽に考えられるようになり、子どもとの時間が楽しく幸せなものになるでしょう!

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