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自閉症のある子と友だちになるにはー当事者だからわかるつきあい方

2019/10/06
 
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もしあなたの隣の友だちが、自閉症だったら、どうやって付き合ったらいいんでしょうか?

そんな漠然とした疑問に答えてくれるのは、自閉症の当事者である少年が書いた絵本です!

「自閉症のある子と友だちになるにはー当事者だからわかるつきあい方イラストブック」

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表紙には「当事者だからわかる つきあい方イラストブック」と書いてあり、非常~~~~に読みやすいです。
図書館の「ティーン向け書籍」のコーナーに置いてありました。
絵本のような感じで、絵が多く文字が少ないのでハードルが低く、さくさく読めます。
ページ数は50ページ。

この本のもくじは、こうなっています。

もくじ
ぼくのことと、この本のこと…5
ぼくにも声をかけて…8
ぼくに話しかけて…10
ぼくの「聞き方」…12
ぼくに「見えないもの」…14
ぼくが、はまりこんでしまったら…18
いっしょに遊ぼうよ…20
ちがっていてもだいじょうぶ…24
いい友だちになって…34
手をさしだして…40
ダニエルについて…46

読みやすそうだなって思いませんか?
自閉症の子たちの考え方や、望んでいることなど、各テーマに沿って絵とともに短い文章で書かれています。

著者ダニエル・ステファンスキーさんとは?

もくじの最初の「ぼくのことと、この本のこと」と、最後の「ダニエルについて」を読めば、この作者がどんな人なのか分かります。
それでは、作者ダニエルさんのご紹介。

やあ、ぼくはダニエル・ステファンスキー、14歳。
自閉症があるんだ。
自閉症ってなんだか知ってる?
それはね、脳がどんなふうに働くかに作用する障害なんだ。
(ちゃんと脳は働いているんだよ!)
ぼくのお父さんは電気技師だから、配線や回路のことにくわしいんだ。
お父さんが、自閉症のあるぼくの脳は、ほかの子たちの脳とは配線がちがうんだって教えてくれたんだよ。

ぼくの目標は、自閉症のある人やその障害について、もっともっとみんなにわかってもらうことなんだ。

日本だと「障がいを明かすのは躊躇する…」という価値観がありますよね。
でも、ダニエルさんはそんなことを思っていません。
「ぼくは自閉症があるんだ」と自分で肯定的に受け止めています。
自閉症でもそれは自分を構成しているひとつの要素。
後ろめたいと思うことも恥ずかしいと思うことも、本当は必要ないんですよね。

ぼくに自閉症があるって知ったのは9歳のときだった。
自閉症は英語で言うと「オーティスティック」。
だから、はじめは「アーティスティック(芸術的)」だって言われたのかと思ったんだ。
実際、ぼくはけっこう芸術的だからね!

「自閉症」と言われるのいやがる人もいるけど、ここでは「自閉症」と書くのがいちばんわかりやすいし、ぼくはぜんぜん平気だよ。
だって、ぼくには自閉症があるけど、それだけじゃないもの。
ぼくにはこんないいところがあるんだ。

ダニエル・ステファンスキーは14歳の中学生です。
文章を書くことや絵を描くことが大好きで、自分のことを「オーティスティック(自閉症)でアーティスティック(芸術的)」だと自負しています。

前向きで素敵です…!!!

分かりやすい本に納得。
著者自身が自閉症で、中学生なりの表現で他人に伝えようと思って書いた本なのです。
専門家の難しい言葉の羅列は一切ありません。
自閉症のことを理解したい、本が苦手だけど保育士として学びたい、親として知りたい…そう思ったら、是非お読みください。
彼も、彼のご家族も、すごく前向きに自閉症を捉えていて、「脳の回路が違っていてアーティスティック」という考え方が素敵ですよね!!!

自閉症のある人が望んでいることとは?

自閉症には色々なタイプの子どもがいると思いますが、確かにダニエルさんはアーティスティックで表現力があり、人に伝えることが得意な人なんだろうな、という印象。
こういう方が広めてくれると、自閉症ではない人も理解しやすいですよね。

「こうしてほしいと思っている」ということを具体的に書いてくれているのです。

それから自閉症のある子の多くは、相手の目を見るのが苦手なんだ。
だから、ぼくがきみの顔を見ずに話していたとしても、相手にしていないわけじゃないんだよ。
なぜかはわからないけど、下を見ているほうが楽なんだ。
だから、イライラして、大声を出したり、どなったりしないでほしいんだ。

専門家のように、無理やり理由をこじつけて明確にしようというのがありません。
この「なぜかはわからないけど」という部分に、ハッとさせられました。
分からないし、本人達も苦しんでいるかもしれないし、決して努力が足りない、バカにしているという訳でもないんです。

そして、病気のように「治さなきゃ!」と思い込み、矯正させる必要もありません。
叱らないでくださいね。

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きみは、「室内に合った声」で話すようにと注意されたことはないかな?
自閉症のある子は、ときどきそう言ってもらわないとならないんだ。
ぼくたちは、場ちがいな大声で話したり、逆に感情のない単調な声でダラダラ話しつづけたりすることがある。
そんなときは、こう言ってほしいんだ。

「おもしろい話だね。でも、もっと小さい声で話してくれる?」
「それはとてもいいわね。でも次は、ほかの話をしてもいいかしら?」

この書き方はとても素晴らしいですよね。
当事者はこう考えている、だから、こんな風に働きかけてほしい、とすごく簡潔に具体的に私達に教えてくれているのです。

これを知っているのと知らないのとでは、関わり方が大きく変わります。

そして、一番重要なポイント。

「自閉症だからといって、可哀そうだと言ったり、笑ったりしないで」

ぼくをかわいそうだと思わないで
ぼくには自閉症があるけれど、そんなぼくでいいと思っているんだ。

ぼくみたいな自閉症のある子と友だちになるのはかんたんさ。
ぼくのことや、ぼくの好きなことについて聞いてほしい。
ぼくのことを笑うんじゃなくて、ぼくといっしょに笑ってほしいんだ
(このちがいがわかっていないように見えるかもしれないけど、ちゃんとわかっているんだよ)。

スクールバディ活動とは?

ダニエルさんは、自閉症でも、友だちはいるし、好きな遊びもあるし、からかわれて嫌な気持ちにもなるし、自分も人間なので色々と感じている、と語っています。
学校では、自閉症であることで無視されたりバカにされたりもしていると。

恐らく、他の自閉症の子たちも学校でひとりぼっちで寂しい思いを抱えているはずだから、是非話しかけて輪に入れてあげてほしい、と語っています。

スクールバディ活動って、知っていますか?

きみのクラスに自閉症のある子がいたら、その子の「スクールバディ(学校での仲間)」になろう。
きみの学校にスクールバディ活動がなければ、先生やカウンセラーや校長先生に助けてもらって、初めてみよう。

スクールバディ活動では、いろいろな障害について学んだり、学校で特別な支援の必要な子どもといっしょにすごしたりするんだよ。
いっしょに勉強や給食やクラブ活動をしたり、遊んだりするんだ。
自閉症やほかの障害のある子が、人とのつきあい方をおぼえて、みんなに受け入れられたと感じられるように手伝うんだよ。

ダニエルさんのスクールバディ活動のプレゼン、素晴らしい。

大人がいくら口先だけで「差別はダメ」「いじめはダメ」と言ったって、効果はありません。
大人だって差別しているんですから。
道徳の教科書でいくら良さそうな言葉を並べても、行動が伴っていない社会の大人では説得力がないですね。

偏見や色眼鏡で見ることが大人よりも少ない子どものうちから、こういう相互作用のある活動をしなければいけないですね。

自閉症や他の障害があろうがなかろうが、人間であることに変わりはない、友だちになれる、ということ。
こういった実体験を持って知るのが、一番良い効果的な教育ですよね。

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障がい児に優しい保育は、みんなにも優しい保育

児童心理学の先生に教えていただいたことで、とても印象に残っていることがあります。

「障がい児にやさしい保育は、障がいのない子にもやさしい保育である。」
「障がいのあるなしに関わらず、みんなにやさしい保育を目指すことが望ましい」

紙に分かりやすく書いて掲示するとか、
並び方が分かるように床にマークをつけるとか、
どこにおもちゃをしまうのか分かるようにイラストや写真をおもちゃ箱に貼っておくとか。

障がい児に分かりやすい保育環境を作れば、それはみんなにも分かりやすく、過ごしやすい保育室になるのです。

障がいのある・なしに関わらず、全ての子どもに楽しく優しい教育をすれば、それは先生にも家族にもゆとりが生まれて、幸せな保育になるでしょう。

まとめ

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自閉症の少年が、自閉症について知ってもらうために書いたイラストブック。
とても分かりやすくてためになるし、良い「人権教育」にもなるでしょう。

・自閉症だからって、可哀そうと言われたり笑ったりされたくない
・他の子と脳の回路がちょっと違うだけ
・他の子と違ってもそれでいい
・目を見るのは苦手だから分かってほしい
・具体的に伝えてくれたら嬉しい
・友だち同士で助け合う「スクールバディ活動」をもっとしてほしい

自閉症の子ども達が望んでいることが、身近に感じ取れますよ。

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