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のぶみの絵本が嫌い?!炎上した作家の初期の著書を読んでみた

2018/08/02
 
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多数派の意見が必ずしも正解とは限らない。
と私は最近よく自分に言い聞かせて、常識や従来の当たり前にしていた慣習というのを疑うようにしています。

日々、twitterでは色んなニュースが流れていて、今は日大のアメフト部のことが問題になっています。そして、多数の人間がこぞってバッシングするんですが、この流れはいつも同じで、怖いなぁと感じています。獲物を見つけては怒りのエネルギーをぶつけて、飽きたら次の事件に憤るのです。

この流れを見ていると、多数派の意見が正しいとは限らないんだなぁ…というのを感じます。ただし、間違っているという訳でもないと私は思っています。

大事なのは、自分で動くこと。自分の目で見て自分の耳で聞くこと。自分の手で情報を得て判断することではないか、と。

 

去年の終わり頃、SNSで炎上した絵本作家がいたのをご存知ですか?

たくさんの人達(見たところ、子育て中の女性や保育士という印象を受けました)が、SNSで「嫌いな絵本!」「子どもに読ませたくない!」と言っていました。

そうか、どれどれ、自分でも読んでみよう…と思い、片っ端から読んでいるなう!な私です。断片的な情報だけでは、ブログで批判するのは失礼だと思ったからです。

 

ママがおばけになっちゃった

関連記事おすすめされがちな絵本 泣ける要素は必要か?

さて、絵本作家で炎上するなんて人物、そうめったにいるもんじゃないので、子育て中の方や幼稚園教諭・保育士の方々は恐らくご存知でしょう。

のぶみさんです。
→のぶみさん公式サイト

(嫌いと言っている人達は、よく呼び捨てにしているようですが、私は嫌いでも好きでも、呼び捨てにするつもりも見下すつもりもないので、のぶみさんとお呼びします。)

公式サイトを見てみると、早速炎上した問題の絵本が…!!

「ママがおばけになっちゃった!」

簡単に説明しますと、この絵本の男の子かんたろうの母親は、交通事故で亡くなってしまいます。しかし我が子が心配で、幽霊になって周りで見守ったりちゃちゃ入れたりするお話です。

これはシリーズになっていて他にもあります。

「ママがおばけになっちゃった!ぼく、ママとけっこんする!」

こちらの方は続編かと思ったら、違うんですね。おばけになったママと結婚式をするのではないようです。冒頭で「もうパパが帰ってこないなら、ぼくがママとけっこんする」みたいなことを言っているので、多分、離婚をしたのであろう母子家庭のお話です。3歳の男の子かんたろうが家でママと結婚式をする様子を祖母がビデオに撮り、その後ママは事故で亡くなります。成人したかんたろうの結婚式でそのビデオを流すというものでした。

↓ネタばれを防ぐために、白い文字で書いてあります。読みたい方はドラッグで反転してみてください。

表紙を開くと、折り返し(というのかな?)の部分にこう書いてあります。
「かんたろう、はなさないのよ。ママからのおねがい。ホントつよくにぎってはなしたらダメよ。」
「うん、ぼくぜったいぜったいはなさない!」
最初に見た時は、おお…随分ラブラブな親子なんだなぁ…と思ったんですけど、読んでみると実はちょっと違いました。このセリフは、まぁうまくできた引っ掛けだなぁと驚かせられました。
結婚式ごっこをしている時に、お腹がぶよぶよのママだったので、ドレスのウエストが破れてしまうんです。そこで、息子に破れたドレスを抑えていてもらう時に発した言葉だったんですね。まぁ、読む前に表紙の裏にこれが書いてあれば、私のように引っ掛けられますよね…。
で、成人した息子の結婚式でもそのビデオが流されるんですが、このセリフが再生されている時にはちょっとしんみり涙ぐんでいる雰囲気になっていて、息子と新婦は手を握って感動的な感じになっています。ここでもこのセリフが活かされるのかぁと、ちょびっと引っ掛けがあった訳ですね。
はい、以上、ネタバレ終わり。

 

のぶみさんの絵本で子どもを傷つけてしまったら?

私の考えを一言で言うなら、「子どもに読ませるのはナシ」です。
別の記事でも書きましたが、脅しは良い教育ではないからです。
せっかく絵柄は可愛いのに…。

作者自身も仰っていますが、「ママが死んだら大変なんだぞ、というのを分からせるために書いた」ような発言をされています。「言うことを聞かないとひどい目に遭うぞ!」というなまはげと一緒です。「相手選手を潰さないと試合に出してやらないぞ」という日大アメフト部監督と一緒です。脅しです。恐怖で子どもを支配しようとしても良い効果はありませんし、大人の思い通りに操って従わせて、何が良い子だ!何が教育だ!と私は怒りさえ覚えます。

いつもそばにいる母親が亡くなったら?…と絵本を通して語りかける。すると非常に想像力豊かな子どもは、大いに恐怖を感じます。現実と空想の区別がつかないので、絵本やテレビで疑似体験をすると、それはもう大きな精神的打撃を受ける訳で…。
「私のお母さんも、明日死ぬのかな?どうしよう。とても怖い!」という恐怖の感情で頭がいっぱいになってしまうかもしれません。
絵本の購入者のレビューには、「子どもが30分間泣き続けました」と書いている人もいます。子どもが泣く姿を見て感動しています、と喜んでいる親さえいます。やりすぎです…。

もしこの絵本を読んで、子どもが泣いてしまったら?何だか様子がおかしくなったなと感じたら?特に何も言わないけど心配だったら?
それは、「そばにいるよ」と、何度でも伝えることです。

そりゃ勿論、いつか人はみんな天へ召されます。しかし、子どもの教育にも適した時期(レディネスと言います)というのがあり、この絵本を読んで不安や恐怖に襲われる年齢の子どもには、「いつかお母さんも死ぬけどね」なんて余計な一言は必要ない、と私は感じています。まだそれを学べる時期じゃないんです。
子どもの不安を取り除くには、「大丈夫、毎日あなたのそばにいるよ」と断言することしかないんです。不安な様子を見せても、何回でもそばにいると伝えてやってください。
生死を教えるというのは私もまだまだ勉強中ですので、難しいところではありますが。

親目線であの本を読んでみても、感動はしないし、良い絵本だとも思っていません。幼い子を残して自分が死ぬことへの悲しさと切なさは感じました。
「日々、育児で疲れていてイライラしている母親は、これを読んで、我が子の大切さや可愛さに気付いてほしい」というような内容のレビューもあります。それは、分からなくもないです。
子どもに読ませるのはナシですが、親が自分で読むのは自由です。

子どもと違って、大人なら自分で選んで読むことができるので。

でも結局のところ、「なくしてみて大切さに気付きました!」ではなく、「なくす前に気付けよ!!」とは思います…。

一通り読んでみた!

このママにきーめた!

胎内記憶がテーマです。赤ちゃんは自分でママを選び産まれてくる、という説があるそうで、この絵本に出てくる赤ちゃんも空からママを選びます。出産の時のシーンが赤ちゃん視点で描かれているのは面白いかもしれません。
「赤ちゃんはママを喜ばせるためにママを選んで産まれてきたんだよ」というのが大筋ですが、大人の都合の良い解釈であざといとか、母親受けを狙っていてマーケティング上手だとか言われています。個人的には、大人を喜ばせるために変に気の利いたことを言わないで、赤ちゃんや子どもには好きに生きてほしいものです。

 

のぶみさんの作品全体に言えることですが、「絵本に出てくるママは料理が下手で手抜きをするダメなママ」という、母親にのみ全てを求めようとする価値観が強く作品に出ています。そして絵本には育児をする父親は出てきません。批判されるのはここなのでしょう。この絵本は、空から赤ちゃん達が自分のママを選ぶ描写があるのですが、「あの女の人は料理も掃除もできないダメな人だよ!」と多くの赤ちゃんが否定する中で、主人公の赤ちゃんは「あの人がいいの!」という感じで選びます。いくら主人公の赤ちゃんだけが良いと言っても、周りからじわじわとダメなママの印象をつけていく描写方法は残酷です。何か母親に対しての強い要望とか恨みのようなものが感じられるのですが、他の著書を読んで納得しました。後述します。

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それからこれものぶみさんの作品が批判されるところなのですが、「笑いあり涙あり」とご本人も語っていらっしゃいますが、残念ながら面白いというのを勘違いされている気がします。ママのお腹がたるんでいてデブ、パンツで涙を拭く、やたらとうん○を出してくる、モブのおじさんを女装させたりハゲさせたりする、「って、そうじゃなーい!」という突っ込みのセリフを沢山入れる…こういうのを絵本に入れれば笑えて面白いのだとお考えのようで。一発芸一辺倒の新人お笑い芸人のようです。ハゲもたるんだお腹も笑っていい対象ではないし、誰かを馬鹿にすることが面白いことである、と絵本で子どもに刷り込んでしまうのは危険だと私は感じています。「気にしすぎだ」という人は自分が笑われる対象ではなく笑う側だからですが、のぶみさんも誰かをいじって笑うのがお好きなのかもしれません。

絵の中に書き込みが多く見づらいという意見も多数。だいたい絵本に出てくる部屋は散らかっていて、道には貼り紙が沢山あって、ご自身の著書を紹介するポスターを散りばめています。「ウォーリーを探せ」みたいな、細かい絵の中から色々見つけだす絵本は楽しいし人気ですが、そういう趣旨ではない絵本にそれを盛り込むと、ごちゃごちゃし過ぎて絵本の内容に集中できないかもしれませんね。

 

それがぼくだから

2000年に書かれたので初期のものです。

なんだかさいきんぼくがきらいだったおとなのかたちをしたひとが・・・
ぼくのまわりにたくさんいる。
そしてぼくもきをぬくと・・・
そのかたちになってしまいそうになる。
そのかたちはよのなかになじむためにはとってもいいかたちなんだけど・・・
れいせいにみるとすごくかっこわるいかたちだ。
ぼくはよのなかになじまなくてもいいから・・・
かっこいいかたちでいたい。
それがこのよのなかでたったひとつのぼくのかたちだから。

詩みたいな感じです。そしてあとがきには「はやく理由をいわなくても意見のとおるひとになりたい。」と書かれています。のぶみさんはいじめられた経験もあるようですし、周囲から変な人だとか変な絵だとか馬鹿にされていて、親からも「こんな紙くずたくさん書いて!」と批判され、そういう経緯があって「いつか名前の売れた絵本作家になって見返してやる」みたいな恨みのような思いで絵本をとにかく沢山描いているのでは…と感じました。(著書を積み上げたら天井に届くようになったと喜んでいらしたので、とにかく量をこなすのが目標になっているような気もします。)
沢山の絵本から感じる母親への執着は、やはりのぶみさん自身の想いの投影だったのでしょう。子どもの頃は母に構ってもらえず寂しかったと仰っていましたが、どうやら最近お母さまと思いを共有し解決されたそうで。著書を読んでいくうちに心配になったのでほっとしました…。
参考ウートピ 『ママがおばけになっちゃった!』作者・のぶみが語る、32年越しの母との和解

ぼくとでんわくん

これも2000年代なので初期の著書です。
男の子が受話器をとって話した内容を、でんわくんが走って遠方の相手(火星にいる人とかブラジルの人とか)に伝えに行く話です。ページ数は多いですが、どんどんめくってでんわくんが走るのを表現したかったようです。白黒の絵本です。
あとがきのような自由に語るページに、色々と書いてありました。

これをかいててうれしかったのはぼくよりさきにでんわくんがうごいてくれたようなかんじがして…なんてことをかくとまたゆーめいな作家みたいだからやめとくけど…(略)あんまりじぶんの作品についてはなすのはにがてなんだけどさいしょでさいごにするってことでこんなことかいてみました。

最近炎上したのぶみさん作詞の「あたしおかあさんだから」の時は「感涙必至」のようなことを沢山語っていらっしゃったので、印象が全く違うというか、初期の頃から随分変わられたのだなぁ…と驚きました。自信がついたのかもしれません。

のぶみのさいきんのこと3

さいきんGパンのベルトのところにモデルガンをつけている。みんなによくびっくりされるのだがすごくきにいっているのでじゃましないでほしいとおもう。でもそのせいでよくおまわりさんにつかまる。

これは危ないと思います…。凶器に見えるものは普段身に着けていたら周囲から警戒されます。コミケのコスプレの人達だって会場へ行く途中の小道具や身なりには気を付けているそうですから。これはアウトですね。今は良くも悪くも有名な絵本作家なので、モデルガンを持ち歩くことはしていないと思います。変わっていると思われたかったのかもしれません。

子どもが好きな絵本ってどんなのだろう?

「ねないこだれだ」 せなけいこ

のぶみさんは「お母さんを大事に!」という母親受けのよい教訓的なおばけの絵本を書いたようですが、せなけいこさんは全く違うおばけの絵本を出されています。

私のデビュー作のひとつでもあり、親子3代にわたって読んでいただいている本があります。それが『ねないこだれだ』です。最後には、遅くまで起きていた女の子がおばけになって、おばけの世界につれていかれてしまいます。この本はよく、しつけのための本と間違われるのですが、そんなつもりで書いたのではありません。しつけの本だったら、子どもはこんなに好きになってくれるはずがありません。子どもは敏感ですからね。そういったことはすぐにわかってしまうんです。

参考東洋経済ONLINE 名作絵本「ねないこだれだ」の意外な真実
このせなさんの考え方、五味太郎さんの「子どもは偽物が嫌。本物を求めている」という考え方と似ている気がします。子どもを大人と同じ一人の人間として扱う姿勢は、とても好きですし尊敬します!
絵本を使ってしつけようとか親を大事に思うように持っていこうとか、やはりちょっと浅はかかもしれません。

私も以前はバリバリ教育派な教員だったので、子ども達にはつらい思いをさせてしまったのだろうなぁと、今では反省しています。

まとめ

この記事を書いている最中、身近な人がお子さんを亡くされました。とても驚きました。いくらその人の悲しみに寄り添おうと思っても、やはり当事者でないと本当に理解はできず、軽々しく分かった風に言えないのが現状です。家族を亡くした当事者に、のぶみさんのあの絵本を送る気にはとてもなれません。

「泣けると話題だから」「売れているから」というだけで、絵本を選んでいませんか?

子どもは、大人受けの感動ものを求めていません。

子どもが好きな絵・好きな言葉・好きなページでできている本を選んであげてください。

ただ楽しいだけの絵本で全く問題ないんですから!

めろん

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