「こんなのへんかな?」ジェンダー・フリーの絵本①で自分らしさを考える!
「女らしさの押し付けが嫌だ」
「男なんだからと抑圧されるのが苦しい」
「女らしさ男らしさって何なんだ…」
と感じていませんか?
女児をもつ家族も、
男児をもつ家族も、
先生も、そうでない人も、
みんな必読!
性別問わず、好きなことを自由に楽しむ!
「ジェンダー・フリーの絵本」シリーズ第一作目、
「こんなのへんかな?」
- 性別による違いとは?
- それは決めつけかもしれない?
- 性別の枠を取り払って個人個人で得意なことを!
読んでみたら、今までの思い込みや違和感に大きな気付きがあるかも?
下記クリックで好きな項目へ移動!
「こんなのへんかな?ジェンダー・フリーの絵本①」
「女の子なら、男の子ならこうでなければいけない」と
社会的文化的につくられた性のちがい(ジェンダー)にとらわれていたら、
きっときゅうくつなはず。
自分を、周りの人を、社会を、もっと自由な目でとらえなおすために、
ジェンダーの問題をさぐってみよう。
自分らしく生きるってどんなことか考えてみよう。
教室で、サークルで、討論しながら学べる絵本。
セットで総合学習、調べ学習にも最適。
引用元 絵本「こんなのへんかな?ジェンダー・フリーの絵本①」
ジェンダー・フリーの絵本は全6巻で成り立っている絵本。
「女らしく・男らしくではなく、自分らしく生きること」
をキャッチコピーとしています。
子どもだけじゃなくて、大人が読んでも、
「ああ…そういえばそうかも」と思えることが沢山つまっていますよ。
この本は、
そんな社会が決めた女らしさ・男らしさにとらわれて、
窮屈な生き方をするのはやめよう。
自分にも人にももっと自由に、
そしてノビノビ生きようということから、
ジェンダー・フリー(性別にとらわれない自由)という見方で、
日常の暮らしを見つめなおしてみました。
家庭で、学校で、また世の中を見ていて、
ジェンダーによる束縛を感じることはありませんか?
この本を読んだことをきっかけにして、
どんな束縛があるのか調べたり、
もし束縛があったとしたら、
どうしたらもっと楽しく生きていけるか、考えてみてください。
著者は、長年保健体育の教諭をされた方。
小学生くらいから読める性教育絵本も書かれています。
正しい知識で、身を守り、また他人を尊重するために、
是非お手に取ってみてはいかがですか?
「ジェンダー・フリーの絵本」シリーズは6部作。
ターゲットは小学校~中学生としているようです。
この「こんなのへんかな?」は、その中で最も易しく、入門編・基礎編といった感じ。
幼児に読んであげてもいいですね。
全部完璧に理解させようとしなくてもいいのですから。
小学生以降のお子様と読むのにも、導入として一番最初に読むのがおすすめです。
どんな内容?
この絵本にはこのような内容のことが書かれています。
- 女の子と男の子の違いって何だろう?
- 性別で決めつけていることはないかな?
- 性別関係なく自由にしてみたらどうなる?
女の子と男の子の違いって何だろう?
女の子はおしゃべり。
そうかな?
おしゃべりな男の子だっているよ。
男の子はらんぼう。
そうかな?
らんぼうな女の子だっているよね。
うーん。
ほかには?
遊ぶこと、読む本、話し方、好きなもの、ほかにもたくさん。
それって、ほんとうに男の子と女の子のちがいかな?
絵本の一番最初に問いかけるのは、
「女の子と男の子の違い」について。
主に、パッと思いつく「表面的」「外見」の違いから入っていきます。
- 体とせいきは男女で違う
- 男子は、乱暴で、青や黒・ロボットや球技が好き?
- 女子は、お喋りで、ピンク・お人形が好き?
- 「女子向け・男子向け」は決めつけかもしれない
- 女子用の服、男子用の服って?
- 男子がスカートを履く文化もある
- 女子はブルマーを履かなきゃだめ?
「男の子だからプリキュアは変」とか「女の子だから車は変」とか…。
幼児期の子ども達から
そういう決めつけの言葉は、既に聞こえてきます。
それは、考えをアップデートできていない大人(先生や親や祖父母)
の影響を強く受けているから。
家でリラックスしたい時の服装に、大きな違いはない。
でも園の制服も、
「男の子はビシッと、女の子はヒラヒラに」という違いが見られる場合もあります。
現代ではほとんどないと思われますが、
小学校に上がれば、女児の体操服はブルマーでしたね。
絵本でも、色々な女の子達がそれぞれの思いを語る光景が。
「ブルマーは食い込むしお尻のかっこうがはっきりして嫌」
「男子は短パンなのに、なんで女子はダメなの?」
「自分でブルマーか短パンかハーフパンツかを選びたい」
「男子でブルマーを履きたい子っていないの?履きたくても言わない子もいるのかも?」
まさにこの「自分で選べたらいいよね」という、
性別問わず意志を尊重できる在り方がいいですね。
近年は、学校の制服のスカートかズボンかを
自分で選べるところも増えてきました。
必要なのは「LGBTだから制服を変えてあげよう」ではありません。
無理やりLGBTの定義に当てはめて、
「理解してあげてる風」は要らないんです。
LGBTに該当しない女子や男子の思いも、
等しく尊重することが求められています。
(現代の大人に聞いてみても、「ブルマーを喜んで履いていた元女児」というのは少数ですので…)
性別で決めつけていることはないかな?
男の子と女の子、まるでちがう描かれ方。
こんなマンガばかり見ているうちに、
こうするのが男の子、女の子みたいに
きまりきったように思いはじめたら気味がわるいね。
もっと色んな男の子、女の子を登場させてほしい。
実際にいろいろな子がいるのだから。
いろいろな子がいて楽しいのだから……。
絵本の序章で、何となく気づきやすい表面的な違いに触れたら、
次はもっと内面について考えてみましょう。
- 男子は泣いちゃダメ?
- 女子は痩せてなきゃダメ?
- 危険な場所の掃除は女子にさせちゃダメ?
- 男子は元気に遊びたいから、
女子をどかせて校庭を独占してもいい? - 男子だから暴言や暴力は当たり前?
- 乱暴な友だちを注意するのは、女子だけ?
- 男子向けの漫画は、
怒鳴る・怒る・戦い・喧嘩・筋肉ムキムキ・えっちなものが多い - 女子向けの漫画は、
ウルウルの大きな瞳・姫・か弱さ・嫉妬・恋が多い - マンガはどうしてこんなに違う?
- 女性の先生は女子に厳しく、男性の先生は男子に厳しい
- PTAはほとんど女性だけれど会長は男性
- テレビも、女性は家で育児と家事!
男性は外で仕事やビール!と決まきりっているかのよう
外見だけでなく、内面の差別もたくさんありますね。
子どもが小さいうちから大人がよく言ってしまいがちなのが、
「男の子なんだから泣くな」ということ。
「すごく頑張った試合で負けてしまった…」
「大事なペットが事故で亡くなってしまった…」
「難病の人が困難と闘っている番組を見たら、感動した…」
「でも、どれも泣いちゃいけない。泣くのはみっともない、男の子だから。」
という男の子の葛藤が絵本の中で描かれています。
そんなところに
「本当にそうなの?男も女もないよね?泣くのは当たり前で自然なこと。」
とフォローが描かれ、考えるきっかけをくれています。
それから、女の子への抑圧として大きいのが「女子は痩せてなきゃ」というもの。
これは別の性教育絵本でも念を押されて描かれています。
(関連記事 性教育絵本「女の子が大人になるとき」)
思春期の過剰な痩せ願望につながらないよう、
早いうちから大人が伝えていかなければなりません。
日頃から接している大人達からも、漫画からも、テレビからも、
子ども達はジェンダーの価値観を大いに受けていることが分かります。
こうやって育てば、子どもも「それが当たり前なんだ」と思い込むでしょう。
そこで、この絵本ではとても大事なことを教えてくれています。
テレビのコマーシャル、よく見てみると……。
赤ちゃんを育てる、お料理、そうじ、洗たく……。
生きていくうえでみんな大切なことなのに、でてくるのは女の人ばっかり。
まるで家で働くのは、女の人ときまっているみたい……。お酒、栄養ドリンク、湿布薬……。
でてくるのは男の人ばっかり。
まるで外で働くのは、男の人ときまっているみたい……。
どうしてこうなんだろう?
女の人も男の人も、どっちもすればもっと楽なのに。
性別関係なく自由にしてみたらどうなる?
絵本の中で色々なジェンダーについて考えてみたところで、次の段階へ。
「性別関係なく、自分の好きにやってみたら?」と想像してみましょう。
- 校庭で、女子がサッカーをするのも、
男子が花壇の手入れをするのも、全然変じゃない! - 女子が重たい給食の鍋を運ぶのも、
のこぎりで作業するのも、変じゃない - 男子が配膳の当番をするのも、
部屋の飾り付けをするのも、変じゃない - 男女問わず、将来の夢は色々!
- 女性が車を運転したり、男性が赤ちゃんを抱いたり、
街の人も色々あっていいし、皆で支え合えばいい
絵本の序盤では、
「どうしてこうやって分断されているんだろう?」
と、現状に気づくための問いかけが沢山あります。
読み進めていくと終盤では、
性別関係なく、皆で好きなことをして支え合っている世界が描かれています。
そして「へんかな?へんじゃないね」という問いかけに変わっています。
へんだね、へんかな?
へんじゃないね。
だって、みんな、いろいろやったらいいんだよね。(略)
だって、みんな、いろいろできたら、たのしいんだもの。
今まで当たり前のように思ってきた、
女らしさ男らしさ、
中性的な子のことは笑ってネタにしていいとか、
そういうことに疑問を持ち、
他人を尊重するきっかけになるかもしれません。
著者はどんな人?
画像引用元 川村学園女子大学 「社会生活入門」―村瀬幸浩先生をお迎えして―
私たちはこれまで当たり前のように
すべての人間を男と女に明確に分けて考えてきました。
しかし近年人間の研究が進み、人権という考え方が深まる中で
からだとこころの性分化(性別に分かれること)について
新たなことがわかってきました。
からだの性別とこころの性別が必ずしも一致しないことがあるのです。
そのことによる不安や悩みを性別違和感といいますが、
実は小学生のころからこうした違和感を自覚する子どもがいるのです。
このことを周りの大人たちはぜひ知っておいてほしいのです。
そして子どもを男・女のどちらかに無理にはめ込もうとせず、
子どもの不安や悩みをシッカリ受け止め、
場合によっては専門の医師に相談するなどの対応をしてほしいのです。
(略)
こうした事実に配慮し、わが子も含めたような人間存在という見方、
考え方に目を開いていただくよう希望します。
引用元 絵本「大切なからだ・こころ」
関連記事 「大切なからだ・こころ」ってどんな絵本?
この絵本の著者は村瀬幸浩さん。
高校で保健体育の教諭として25年間働かれたのち、
現在は一橋大学と津田塾大学で講師をされています。
また、日本思春期学会名誉会員で、全国で性に関する講演もされています。
ジェンダーフリー、性の自己決定権、女性学、男性学の専門家です。
思春期の子ども達の成長と健康と安全のために日々従事されているのが、
他の著書からも分かりますよ。
まとめ
伝えるのが難しい性やジェンダーのこと。
しかし専門家が書いた絵本なら、正しい知識が分かりやすく書かれています!
「ジェンダー・フリーの絵本」は人権教育と性教育に、
そしていじめを生まない寛容さを育てるのにおすすめです!
- 性別による表面的な違いとは?
- もしかしたらそれは決めつけかもしれない?
- 性別の枠を取り払って個人で得意なことをすればみんながもっと楽に!
「人権教育や性教育ってこういうことから始めればいいんだ!」
というのがつかめてきますよ。
まずは、子どもに関わる大人のあなたが、
この絵本を読んで学んでみませんか?
↓こちらの絵本↓もおすすめ!
絵本「ピンクがすきってきめないで」ってどんな絵本?