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レッジョエミリアアプローチの用語解説!自由を尊重する保育とは?

2020/09/17
 
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「レッジョ・エミリア・アプローチ」はとっても素敵な保育!

子ども達が自分のやりたいことに思い切り没頭できる環境です。

イタリア発の教育法なので、用語がやや難しいと感じることもあります。
それをこの記事で一通り解説します!

レッジョエミリアアプローチの用語解説!

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レッジョエミリアアプローチとは、イタリアの教育メソッド。
自由な絵画制作を尊重する保育…と認識されがちです。

しかし、製作だけではなく、
子どもの自由な表現・意志を尊重して、
大人がその子一人一人に合った支援をする保育
と言うべきでしょう。

レッジョ・アプローチを理解・実践する前に、
知っておくべき用語や概念はたくさんあります。
それをご紹介します!

百通りの言葉

レッジョエミリアアプローチの創始者「マラグッツィ」氏の有名な言葉。

「子ども達は、百通りの言葉を持っている。」

それは、口から発せられる音声言語、
つまり話したり書いたりする時の言葉だけを言っているのではありません。

声なき声、表情や体の動きや絵
様々な手段で、子どもは自己表現をしています。

それを子どもの言葉として大切に扱い、
注意深く耳を傾けることが、
教員や保護者には必須である。

これがレッジョエミリアの大事な教育理念になっています。
また、子ども達はもともと表現力が豊かで、
他者とコミュニケーションをとる才能を持って生まれている、とも考えられています。
「子どもだから」「子どもらしく」「子ども向けに」という子ども騙しではなく、
何歳の子であっても一人の人間として尊重し、
主張を丁寧に聞こうということですね。

アトリエ

レッジョエミリアの特長の一つ。
園内にある重要な場所です。
子どもの自由な表現活動を叶える場所。
絵の具や粘土や色々なもので自分の表現を楽しむことができます。
製作室とか工作室…のようなものでしょうか。

アトリエスタ

これもレッジョエミリアの特長。
教員や保育士とは別で、園に常駐するアトリエの責任者がいるのです。
美術の勉強をした専門家がこのポジションに就くことが多いですが、
教育学の知識も勿論必要です。
音楽を専攻したアトリエスタもいます。

創造的な表現活動を叶えるために、
子どもや教員に知識を共有して支援する人。
アートのプロです。
園に、図画工作専門の先生がいる…と考えれば分かりやすいですね。

私は以前勤めていた園には、
美術の専門学校卒の職員(保育士資格は無し)が常駐で、
副担任のように働いていました。
保育士養成校では習わないような、
本格的なアートの知識と技術をもつ先生が、
子ども達の創作活動に携わる。
心から楽しむ園児が大勢いましたし、
先生のことも「絵が上手!」「粘土がうまい!」と尊敬して大人気。
アートのプロがいると、保育と教育現場にすごく良い効果をもたらしますね。

ドキュメンテーション

保育日誌…のようなもの。
教員やアシスタントが、
毎日子ども達の様子・会話・発せられた質問等を
詳細に記録しているものを指します。
ノートだけでなく、写真や動画でも記録が残されていて、
このドキュメンテーションをもとに、
園内の職員全員で毎週1回会議を行い、学びのテーマを策定していきます。
子どもを観察することを基盤に置いているレッジョエミリアにおいて、
これはとても重要な資料になっているのです。

どんな些細な言動も見逃さず、成長のきっかけととらえる、
鋭い観察眼が必要になります。

プロジェッタツィオーネ

一定期間に渡って行われる、子ども達の活動プロジェクトのこと。

例えば…
「この季節にぴったりの種を植えよう!」と子どものうちの誰かが発言

みんなで辞典を見たり、パソコンやタブレットで調べたりして情報収集

先生と子どもで話し合い、土や種を一緒に買いに行く

種植えの実施!
(でもこれで終わりじゃない)

水やりは毎日誰がやる?当番制にする?等を決める

毎日水をやって大事に育てる
(でもこれで終わりじゃない)

少しずつ変化することに気づいた誰かが「写真撮って比べよう」と提案する

お花が咲いた!実がなった!ワーイ!
(でもこれで終わりじゃない)

「写真撮ったし、みんなに見てもらおう!」と誰かが提案、先生に相談

パソコンで写真をスライドにして、好きな音楽をつけて、上映!
(でもこれで終わりじゃなく、子ども達の希望や先生のちょっとした提案で変化し、続いていく)

こういう、一連の流れのことを指します。

ピアッツァ

広場という意味で、園の中央に設けられた広い場所を指します。
ここで、お弁当を食べたり、くつろいだり、動植物と触れ合ったりします。
心にゆとりを感じさせるために必要な場所。

ペダゴジスタ

レッジョエミリア市内の幼児学校にいる職員のこと。
大学で教育学を専攻した人が、
いくつかの園を統括して受け持つ
ポジションです。
教育現場の実践を教育研究と結びつける、
つまり、しっかり研究して現場にも活かす人
現場をよく理解しながら、上層部でも活躍できる教育のプロ、
日本にももっと必要とされています。

キッチンと調理士

ランチをおやつを提供しているので調理士もいます。
日本の園とは違い、園内のキッチンは基本的に子ども達にも開放されていて、
自分達で作ったり洗ったりしてお手伝いをすることもあります。

アッセンブレア

民主主義による話し合いを大切にするレッジョエミリア。
毎朝子ども達と大人達で行っているミーティングを、
アッセンブレアと呼びます。

これをとても重要なものとしています。
朝の会みたいなものです。

しかし実際は、日本の園にあるような朝の会とは似て非なるもの。
「今日は〇〇をしましょう!」と、
教員から歌や活動を促すことはしません。
静かに座ってお行儀よく聞く必要もなく、
先生の一方通行ではいけないんです。

  • 「みんなのやりたいこと」
  • 「みんなにいいたいこと」
  • 「もうすぐ来る誕生日会でやりたいこと」等
    子ども達同士で話して決めていきます。

何を話してもいいんです。

子ども達はそれぞれ自分の言いたいことを主張するので、
言い争いをすることもあるようです。
それは悪いものではなく、「議論」
これを繰り返すうちに議論に慣れ、
落ち着いて話し合いで解決することを覚えていきます。
幼児期から行われる「民主主義」の教育です。

保育や子育てにレッジョエミリアを取り入れたいと思ったら、
まずはアッセンブレアではないでしょうか。

ディリッティ・スペチアーリ

特別な権利を持った人、つまり、
「特別な介助を必要とする子ども達」のこと。
一般的な言葉に置き換えると、障がいを持った子
レッジョエミリアの園では、
人種・宗教・社会階級等の差別はなく、
等しく教育を受けられるべきである、
と考えられています。

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セツィオーネ

セクション、つまり園のクラスのこと。
イタリアでは「クラス」という言葉は小学校以降に使われるようです。

フレキシビリティー

これもレッジョエミリアが大切にしていること。
時代・国・地域・文化・子ども個人…
もろもろの状況に合わせて、
教育はフレキシブルに変えていい
、と考えられています。
柔軟な対応が教員に求められています。

インセリメント

イタリア語「inserimento」から来る教育学の用語です。
日本語にするなら「仲間入り」「社会参加」。
小さな子どもとその親が、
初めて離れて保育所や幼稚園の環境に慣れるための準備をする期間
のこと。

これは子どもの自立心の芽生えに欠かせない重要な期間。
いい加減にして保育すると、後々子どもの心の安定に支障をきたす…とも言われています。

日本の園でも、初めての園生活では「慣らし保育」というものがあり、
少しずつ家庭から離れて園に慣れていけるようにする期間がありますが、
それと似たようなものです。
しかしレッジョエミリアの保育は、
「子どもと親と保育者でつくっていくもの」と考えているので、
この慣らし期間は子どもが安心するまで
保護者はずっとつきっきりで参加してもいいようです。

慣らし保育というよりは、
未就園の時に児童館で毎週参加する乳幼児クラスみたいな感じかもしれません。

まとめ

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レッジョエミリアアプローチとは、こんな教育です。

  • 言葉も表情もお絵かきも歌も…
    全て子どもの「言葉」であると考え、大切にする
  • レッジョエミリアとは、アートの指導法ではなく、教育の哲学
  • 大人は子どもより上の立場である、という考えを捨て、
    対等な立場で話し合いをすること
  • 子ども達同士の話し合いもさせ、
    大人は余計な手出しをせずに見守ってみること
  • 大人がすぐに答えを言わず、
    子どもが自分で考察できるように待つこと
  • しっかり子どもの様子を観察し、
    子どもの考えや思いや成長の変化に気付いてあげること
  • 子どもの願いに合わせて、適切に、本物志向の道具を使うこと

これができれば、
レッジョエミリアの目指す、
「主体的に動いて考えられる子ども」
「他人との話し合いや気持ちを尊重できる子ども」
に成長していけるのではないでしょうか??

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