「二番目の悪者」の絵本が衝撃的!テーマは自分で考え行動する力
巷で話題の衝撃的な絵本!
「二番目の悪者」
- 現代の社会問題
- 心の弱さ
- 人々の無関心
これらを描き、社会に問題提起をする
風刺絵本といってもいいでしょう!
結末まで読んでみると、
最初のページの言葉に心がえぐられます。
読まずにはいられないですよ!
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絵本「二番目の悪者」
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一部始終を見ていてのは、
空にうかぶ真っ白い雲だけ。「嘘は、向こうから巧妙にやってくるが、
真実は、自らさがし求めなければ見つけられない」雲は呟き流れていった。
しかし、その声は誰にも届かなかった。
絵本 「二番目の悪者」
2014年に「小さい書房」から出版され、
じわじわと人気を呼んだ絵本。
それがこの「二番目の悪者」です。
少ないページ数、
シンプルな文章、
あっさりとしたイラスト、
だけど、読んだ後にずっしりとした余韻を残す絵本。
こんな気持ちになる物語もなかなかないですよ。
現代のボンヤリとした大人達の頭をぶん殴るような、
渾身の風刺が込められた絵本なのは間違いないです。
幼児というよりは小学生以降とか、大人向け。
小学校の道徳や権利教育に、これを教材にすれば、
絶大な効果を発揮するでしょう。
衝撃的なあらすじ
あの時、噂を広めてしまった者たちーー
(略)
国じゅうで誰もが同じようになげいていた。
「どうしてこの国は、こんなことになってしまったんだろう」野原のすみで、野ネズミが静かに口を開いた。
「僕は聞いた話を、友達に教えてあげただけなんだよな。
でも、自分の目で何か一つでもたしかめたっけ……?」
動物達が登場する物語で、主役はライオン。
大ヒットの憲法絵本「おりとライオン」は、
これとは随分違うテイストでポップで「めでたしめでたし!」ですが、
こちらはかなり雰囲気が違うストーリーとイラストです。
静かに凶悪なんですよ…。
国のリーダーになりたい!と大きな力を望む、
強欲な主人公の金色のライオン。
金色に輝く素晴らしいたてがみが自慢です。
「金のたてがみで生まれた私こそ、天に選ばれし者なのだ」
近年日本でも問題視され議論にあがる「優性思想」ですね。
しかし候補者に上がり、皆に支持されているのは、
汚れやホコリまみれで働き者、少し見た目が冴えないけれど、
とても心の優しい銀色のライオン。
勿論、金のライオンは嫉妬します。
銀のライオンを蹴落とし自分が権力の座につくために、
デマを少しずつ周囲に吹き込んでいくのです。
それは全く根拠のないデタラメばかり!
しかし、最初は信じていなかった周囲の動物達も次第に、
「火のないところに煙は立たないっていうからね」と…??
これは、現代に問題提起をしたくて書かれたのだろうなと感じます。
だから、気休めになるようなハッピーエンドではいけない。
絵本は、とんでもない結末を迎えます。
そこで改めて、一番最初のページの言葉がグサっとくるんですね。
これが全て作り話だと言い切れるだろうか
この言葉、そして出版した時期…
色々な思いがあって書かれた絵本なのだと、
ひしひしと伝わってきます。
絵本が伝えたかったことは「自分で考え行動すること」
「ほんとうに、金のライオンだけが悪かったのか……?」
めちゃめちゃになったところで、
ごく一部の市民である野ネズミはそう嘆くのです。
強欲な金のライオンによって社会は
取り返しのつかない方向へと進んでしまいます。
確かに張本人は、金のライオン。
しかし…
- 噂に流され、悪意に扇動され、加担したのは?
- 翻弄された市民の中に、反省し、気付ける者はどれだけいるか?
- 悪意に「無関心」「傍観者」でいるのは、善良な市民といえるのか?
- いい大人が、加担しておいて被害者ぶっていないか?
ここを考えなければ、歴史は繰り返すのでしょうね。
社会が混沌に陥っていくさまを、
ずっと冷静に見ていた登場人物は、雲だけ。
社会がちょっとおかしい方向に向き始めた頃に、
「嘘は、向こうから巧妙にやってくるが、真実は、自らさがし求めなければ見つけられない」
という金言を語るものの、翻弄された市民には届かないのです。
(この雲、めっちゃいいこと言ってる!)
そして物語の最後にも、雲はこう呟きます。
「誰かにとって都合のよい嘘が
世界を変えてしまうことさえある。
だからこそ、なんどでもたしかめよう。
あの高くそびえる山は、本当に山なのか。
この川は、まちがった方向へ流れていないか。
皆が歩いて行く道の果てには、何が待っているのか」
今まで自分が信じて疑わなかったものが、
もしかしたら大きな嘘かもしれないだなんて信じられませんよね。
どれほどの大人が、常識を疑うことができるのでしょうか。
これは痛烈な風刺であり、問題提起である絵本。
著者の込めたテーマは、
- メディアリテラシー
- 批判や賛成を表明する、主権者意識
- 自分で見て・考えて・行動する力
恐らくこの3つでしょう。
- 又聞きや噂を信じ切っていないか?
- 真偽不明の情報で、他者を陥れていないか?
- 力を望む者の思惑に、まんまと流されていないか?
- 流されてヘイトや差別に乗っかってしまったことを、
誰かのせいにして責任逃れしていないか? - 自分で見て・聞き・調べることを普段からやっているか?
- 普段から、「支持」「不支持」など意見を表明しているか?
- 本当に自分に全く非が無かったといえるのか?
子どもに限らず、いい年した大人であっても、
デマや誇張した情報に簡単に流されてしまう人が多すぎます。
いじめも、主犯だけが悪いのではなく、
周りの知らんぷりの傍観者と、囃し立てる観客がいて成り立つのです。
悪意を前に無関心でいることも、悪なんです。
だから「二番目の悪者」というのは、無関心の大衆のこと。
言葉のセンスが絶妙ですよね…。
世間のいい年した大人から大バッシングを浴びた
ゆとり教育も、実はこの「自ら考え学び行動する力」がカギ!
文科省はそれを「生きる力」と呼んでいたんですよ。
ゆとり教育は決して劣った教育などではなかったんです。
果たして、この現代を「生きる力」、大人にはあるんでしょうか。
今の時代にドハマリする衝撃作で、間違いなく良本ですよ。
まとめ
情報が錯綜して翻弄させられたり、
いじめやパワハラだらけの現代、
今だから是非読みたいのがこの絵本!
「二番目の悪者」!
著者の込めたテーマはこちら!
- メディアリテラシー
- 批判や賛成を表明する、主権者意識
- 自分で見て・考えて・行動する力
そして読み終えた後に、自分のこと、社会のことを考えて、
誰かと話し合いたいですね。
- 又聞きや噂を信じ切っていないか?
- 真偽不明の情報で、他者を陥れていないか?
- 力を望む者の思惑に、まんまと流されていないか?
- 流されてヘイトや差別に乗っかってしまったことを、
誰かのせいにして責任逃れしていないか? - 自分で見て・聞き・調べることを普段からやっているか?
- 普段から、「支持」「不支持」など意見を表明しているか?
- 本当に自分に全く非が無かったといえるのか?
あなたは今、大きな嘘に流されていませんか?