慣らし保育とは?保育園で泣く子どもをどうすればいいの?
9月の新学期・新入園に向けてそわそわしている親子の皆さん。
新しい環境は、わくわくもあるけれど、やっぱり不安でしょう。
「これから仕事に行くから、預けるときに泣かないでほしい…」というイライラも理解できますが、まずは子どもの視点と脳について知ってみませんか?
そうすれば意外と解決するんです。
ハッピー育児のヒントは、教育理論!
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慣らし保育とは?
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慣らし保育とは、保育所や幼稚園に新しく入る子どもに設けられます。急にフルタイムの8時間、幼い子どもが家以外の場所で過ごすのは負担がかかるものです。そこで、保育時間を短く設定し、少しずつ延長していき慣れさせるのです。
慣らし保育の例
1・2日目 9:00-11:00
朝の会や午前中の遊びや活動に参加するのみで、無理はさせずに降園となります。
3・4日目 9:00-13:00
給食を食べてからの降園です。食べる時の様子や量や食の好み等をしっかり観察しながら、楽しく食べて過ごせるように配慮されます。
5日目 9:00-15:00
給食の後の午睡にもトライ!おやつを食べてから降園という場合もあります。
慣らし保育の1週間で問題なければ、6日目からは17:00以降のお迎えになるでしょう。しかし、子どもの成長速度や感じ方はそれぞれ違います。
初日から「たーのしー♪フー!!」みたいなハッピーな子もいれば、数カ月間ずっと泣きっぱなしてお迎えの電話がくる子もいます。みんな違う人間なので、そこは心配の必要はありません。
…でも、泣かれるとつらいですよね。仕事前の急いでいる時は特に。言葉でうまく表現できない子どもだからこそ、泣いたり笑ったり全力で表現するんです。子どもの気持ちもちょっと覗いてみませんか?
子どもの視点から見る園は?
初めての園、休み明けの久々の園、どちらも子どもは不安でいっぱいです。
だって、生まれてからずっと一緒だった家族、慣れ親しんだ家から離れて、全く違う場所に一人で乗り込んできたんですから。
例えるなら、違う星に来た 、って感じでしょうか。知らない人だらけで、自分の思いや言語もなかなか通じなくて。
どうでしょう?大人だって、急に違う星や国に飛び込んだら、怖いし疲れますよね。泣きたくもなりますって。
社会に出るための大事な準備期間
私が最近推している「レッジョエミリア」という教育法でも、慣らし保育の期間はとても大事だと言われています。教育用語では「インセリメント」と呼ばれ、社会参加と日本語に訳されます。
子どもが家庭から社会にでるための準備期間・移行期間は、「そのうち慣れるから泣かしといて大丈夫!!」なんて乱暴な扱いを、保育士にはしないでいただきたいところ。レッジョエミリアの園では、保護者は慣らし保育に一緒に参加してもいいことになっているらしく、子どもが不安にならないよう、園に楽しい気持ちを持てるようにとことん教員も保護者も協力します。
しかし!
他の園ではなかなかそうもいきません。保護者だって仕事に行きたい!
「これから仕事に行くのにそんなに泣かないで…」と思ってしまうけれど、ちょっとまって!
子どもの脳のひみつ
子どもの脳を理解すれば、子育てと保育は一気にラクになる!
子どもの脳というのは、短期記憶に特化しているんです。長期記憶はまだ難しく、過去のことを思い出したり未来のことを予測したりということもできません。
時間の概念が、ないんです。
だから、「自分は保育園で家族は仕事。今はお別れ。」→「後で会える!」というのが理解できず、目の前に家族の姿がないということは、「存在しない」「永遠の別れ」と一緒!とてもつらいんです。そんなショックへの耐性も勿論ありません。
頑張って保育所で1日過ごして、家族が迎えにきてくれた時の子どもの顔!!!最高に可愛いですよ!!!超満面の笑みで駆け寄ってくるんですから。
で、次の日の朝は、その記憶もまたリセットされて、泣くわけですけど…。仕方ないです。時間の概念がまだないんですからね!!!
家族ができること
「泣かないでね。大丈夫だから!」では、伝わらないし理解できません。
「必ず迎えに来るからね!」と言って別れ、ちゃんと迎えに行く。
その繰り返しの実績で、「朝お別れしても、後で家に帰れるんだ」「お迎えに来てくれるんだ!」ということを脳に記憶していき、子どもは安心できるんです。
短期記憶の脳に、何度も何度も書き込んでいくんです。
まとめ
教育とは待つことである…という言葉がよく知られていますが、本当にその通りだと思います。
もうイライラしてもしょうがない!だって子どもの脳は、繰り返すことで覚えていくのだから!
「必ず迎えに行くからね。」と強調するのと、「楽しいところだね」と園が安心できる場所だと伝えていくことが大事です。
子どもの脳を理論的に理解すれば、保育園の送迎時の不安もちょっとは減るかもしれませんね。
めろん
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