北海道地震から2年ー防災絵本の読み聞かせで、子どもを守ろう!
北海道で大きな地震があり、長引く停電で多くの人たちが大変な生活を強いられました。
日本で暮らしていくには、地震と無縁ではいられません。
地震がきたらどうする??
最近、災害の規模が大きくなっているけれど、どうしたらいい?
子どもと考えるには何からやれば?
そう不安に思っているあなたにおすすめ。
まずは誰にでもできる、「絵本の読み聞かせ」から始めましょう。
防災絵本で地震の時の行動について、子どもと話し合っておきましょう。
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おすすめ防災絵本「じしんのえほん―こんなときどうするの?」
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「じしんのえほん―こんなときどうするの?(地震防災えほん)」です。
2006年に出版された地震の絵本です。
著者の国崎信江さんは危機管理対策アドバイザーというお仕事をされている方で、
内閣府の「防災教育チャレンジプラン」の実行委員もされていたようです。
監修の目黒公郎さんも東京大学で都市防災軽減工学を専門にされている教授です。
プロの視点がきちんと入った絵本で、絵と言葉で丁寧に詳しく説明がされています。
対象年齢は4歳以上かなー、と私は感じました。
2011年3月の東日本大震災の後にすごく売れた絵本なんですね。
それまではあまり防災に関する絵本が無かったということもありました。
私もこの絵本を購入し、職場で子ども達に読みました。
毎月1回行う避難訓練の日には、
この絵本を読んで一緒に対策を考えるということも年長児と行いました。
絵の中に小さな文字で補足も書かれていて、
全部伝えようとすると年長児以上が対象です。
しかし年齢によって適切に合わせて読んであげればよいと思います。
この絵本の一番大事なところは、
子どもが一人でいる時にどうやって自分の身を守ればいいのか、
それを考えさせるところにあります。
小学校以降になると、常に親や先生が一緒ということもなくなり、登下校時は1人の場合もあります。
- 帰り道にブロック塀があったらどうする?
- 海や川の近くが通学路だったら?
- 商品が積まれているお店の中だったら?
色んなケースを想定して、具体的に身を守る方法を絵本に書いてくれています。
勿論読むだけではなくて、親や先生としっかり話し合いをして、
絵本で学んだことをアウトプットさせることが大切ですね。
一人でいる時に駆け込めそうな学校・保育園・幼稚園・児童館をイメージさせて、
地図に書くのもいいかもしれません。
その他のおすすめ防災絵本
絵本を探すポイントとしては、2011年3月以降に出版されたものを読むといいかもしれません。
日々、地震と防災によっての常識は変わります。
東日本大震災以降に変わったこと、知られるようになったこともたくさんありますよね。
例えば、「揺れている中で無理にガスの火を消しにいかない」というもの。
それまでは「火事のもとになるので、揺れたらすぐに火を消しに行きましょう」
と教えられていた人も多いかと思いますが、
同震災では、それをしようとして怪我をする人が多くでました。
そこで最近では、
「自分の身を守ることを最優先に」
「火を止めるのは揺れが収まってから」
と教えるようになってきています。
知識や技術は日々アップデートされていますからね。
ぐらぐらゆれたら だんごむし (おやこでまなぼう! 防災しかけ絵本)
これもすごくおすすめの絵本です!
出版は2018年と新しく、著者は先ほど紹介した国崎さん。
絵と言葉で丁寧に、子どもに分かりやすく書かれています。
家にいる時だけでなく、
公園で遊んでいる時、
お風呂に入っている時にどうするか、
色々な場面を想定して考えることができます。
最近の避難訓練、先生達は子ども達に
「だんごむしのポーズ」
って教える園が増えてきていますよね。
子ども達に人気で身近なだんごむしというキーワードはとても覚えやすい!
避難訓練で毎月きちんとやっていると、
本当の地震が来た時にも「だんごむしのポーズ」と先生や大人が叫べば、
子ども達もきちんとできるようになります。
低年齢児からも読める防災の絵本なんてなかなかないので、
だんごむしの言葉の持つ力はすごいです。
ご家庭でも、防災絵本の最新版として読んでみてはいかがでしょうか?
あわてないあわてない(いのちを守る防災かみしばい じしん・つなみ・たいふう)
こちらは紙芝居なので、絵が大きくて見やすいですね。
保育園のお昼寝中に地震が来る話。
みんながびっくりしている時に、
先生が「あわてないあわてない」と声をかけてくれるんです。
これ、とっても重要なんです。
大けがしてしまった時、災害に遭ってしまった時、子どもはとても不安になります。
そんな時に、周囲の大人が
「うわっ!怪我!!!大変!!!」とか
「キャーーー!」とか、
大きな声で叫ぶと余計パニックになってしまいます。
そんな時、大人は
「大丈夫」
「慌てないで平気だよ」
と声をかけてあげてほしいですね。
女性の高めの声は、子どもの脳を興奮させたり行動を促進させたりすると言われています。
逆に、男性の低めの声は、子どもに抑制や禁止を促すのに効果的とのこと。
慌てている子を止めたい時、落ち着かせたい時は、
まず先生や大人が深呼吸をしてから、子ども達に低めにゆっくり話してあげましょう。
れんしゅうしててよかったね 地震・二次避難(もしもにそなえる 防災かみしばい)
こちらは紙芝居。
避難訓練をする予定の園で、本当の地震が来てしまうけれど、
子ども達が自分で思い出して行動にでるお話。
普段の避難訓練がいかに大切かを伝えることができます。
また、東日本大震災で「二次避難」の重要性についても叫ばれるようになってきました。
二次避難とは、一旦無事で助かったけれど、家の倒壊から逃れるために避難すること。
熊本の震災でも、1回目の地震が終わって安心してしまったところに2回目の地震が来て怪我をしてしまった人がたくさんいましたね。
低年齢の子よりは、4歳以降の子どもに読むのが向いているでしょう。
クレヨンしんちゃんの防災コミック 地震だ!その時オラがひとりだったら
これは幼児向けではなく小学生向けです。
漫画で学べる本ってハードルが低くなるので子どもには読みやすいんですよね。
いつもアニメで親しんでいるしんちゃんが登場しているというのもいいですね。
小学生を想定しているので、
やはり「一人でいたらどうするか?」というのが考えるべき重要ポイント。
災害時に一人ぼっちというのは心細いけれど、
近所のキャラクターも登場してきて安心できますね。
ドラえもんの 地震はなぜ起こる どう身を守る 親子で読もう
こちらも小学生以降向けの本。
しんちゃんよりもより高度な内容になっています。
2011年6月出版なので、やはり東日本大震災を意識して書かれています。
子どもが自分で自分の身を守るにはどうすればいいのか、自分で考え行動できるように導ける本です。
これまで紹介した本との違いは、地震のメカニズムまで学べるところ。
さすが小学館のドラえもん先生といった感じでしょうか。
親として学べるのも嬉しい。
震災時の連絡の取り方・子どもの防災袋・親子に必要な防災の知識が書かれています。
にげましょう 災害で命をなくさないために
これは、小学生~高校生や大人も読める絵本です。
絵本というか、とてもデザイン性の高い教科書のよう。
この絵本には、トイレや道路の表示に使われるような「ピクトグラム」が使われています。
「災害の時にはこうなる→だからこうしよう」というのが描かれています。
淡々と描かれているからこそ、ちょっと恐怖感もあります。
地震のみに焦点を当てているのではなく、
災害全体をシンプルに解説し、
「とにかくにげることが大事」と説いています。
しかし、一口に逃げると言っても、
津波の時・地震の時・火事の時…逃げ場所は全て違います。
- 災害によって、なぜ自分は危険にさらされるのか
- そこから身を守るためにはどの場所に逃げるのが適切なのか
を分かりやすく教えてくれています。
小学生や中学生は勿論、高校生や大学生や大人も、これを見て学べるものは多いでしょう。
災害の恐怖は、地震だけでなくなってきました。
台風や河川の氾濫もかなり大問題で身近になってきましたよね。
色々な災害があること、その災害によって対策も異なるということを、
ざっと教えるためにもとても便利な本ですよ。
減災という考え方
急にやってくる地震は、予知がなかなか難しいですが、
それでも日々の生活で対策できることはたくさんあります。
政府も「災害はなくすことはできない」と言ってしまっているのです…。
つらいものですが。
災害被害を軽減する国民運動とは?
地震、津波、台風など自然災害は思わぬときにやってきます。
災害をなくすことはできませんが、
被害を少しでも減らすことは今からでも取り組むことができます。
この国民運動は、皆さん一人ひとりが日頃から具体的な行動(事前の備え)に着手することによって、
安全で安心して暮らしてゆける社会をつくってゆこうという運動です。
まず、普段からできることから取り組んでみましょう。
この小さな取組が災害からあなたを守ります。
※引用元 内閣府 防災情報のページ「災害被害を軽減する国民運動」
近年、この「防災」だけでなく「減災」という考え方が広まりつつあります。
地震の問題が常に付きまとう日本に住んでいるからこそ、
もっと普段から子どもも大人も一緒に対策をとっていく必要がありますね。
まとめ
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防災・減災にはまず、災害を知ることから始まります!
- 災害とは何か
- 災害の瞬間はどうしたらいいか
- 災害の種類によって、どこへ逃げるべきか
- 一人でいた時に遭ったらどうするか
- 普段から何ができるか
東北地方だけでなく首都圏も大きな打撃となった東日本大震災ですら、
多くの人の記憶から忘れ去られつつあるのです。
大事なのは、風化させないこと。
当事者性をもって一人ひとりが対策などを受け継いでいくこと。
絵本で、お子様と一緒に考えてみませんか?