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組体操で事故?!ピラミッドやタワーが危険で禁止の学校続出!

2020/07/10
 
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長年、日本の学校で行われてきた運動会。
でも、組体操が危ない?!

2016年に組体操をめぐって異例の通知が出ているって、知っていましたか?
しかし2019年も、危険な運動会をする学校も!
組体操は、つらく苦しいものではなく、
コミュニケーションと人体について楽しく学ぶ場であるべきだ
と考えられるようになってきています。

危険な組体操の技で事故?

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既に数年前から、組体操は超大変なことになっています。

組体操をめぐって異例の通知です。
組体操ではタワーや倒立、ピラミッドの技は
事故が多く、怪我も深刻になる傾向があります。
このためスポーツ庁は、
小学校での危険な技には慎重な扱いを求める、
異例の通知を出しました。

引用元 ANNニュース 過去9人死亡「組体操」巡り小学校に異例通知(16/03/25)

国が、学校に対して運動会の内容に制限を課すというのは、極めてまれです。
その後、各地の学校はどう動いたのでしょうか。

2016年以降ピラミッドは禁止に?

既に組体操では怪我だけでなく死亡事故も起きています。(2016年時点)

  • 小中高合わせて毎年8000件以上の事故
  • 死亡事故は9人

運動会等で実施される組立体操について、
スポーツ振興センターがまとめた
2015 年度組立体操における医療費給付内訳では、
年間 7,880 件もの負傷者が発生している。

引用元 独立行政法人日本スポーツ振興センター「組立体操の指導における怪我の現状と今後の在り方」

死んでるのにまだ組体操やってるどころか、
「今後は検討」ってダラダラしている??

「お子さんの大事な体を預かっているという
緊張感を持って取り組んでいただかなければいけない」と
文部科学省の馳大臣(2016年当時)はコメントを出しています。

2019年の今の組体操は?

秋の運動会シーズンを前に、神戸市立小中学校で
組み体操の練習中に骨折するなどの事故が相次ぎ
神戸市長が今月、ツイッターで市教委に中止を呼びかける事態に発展した。
(略)
神戸市の久元喜造市長は9日、
市立小中学校で組み体操の練習中に骨折を含む事故が相次いだとして、
ツイッターで組み体操を中止するよう求めた。
事故は27日時点で骨折5件を含む43件となった。

引用元 産経新聞 「やめる勇気」悩む現場 組み体操事故、神戸で相次ぐ

現場の先生が、進歩していない!!

このツイートの神戸市長は、
「安全が確認されない組体操なら中止をするように」と
神戸市の教育委員会に文書で通知しました。
神戸市内の小中学校では、2019年秋、168校中92校が組体操をやる予定。
しかし、神戸市長には止めさせる権限がないとのことで、
教育委員会は「学校はもう練習を始めているから、やめたら混乱を招く」と言ったのです。
市長と市の教育委員会が対立している形です。

市教委の担当者は
「組み体操に教育的意義を感じている学校は多い」と強調。
「今年の事故の多くは、倒立など2人組の技で起きたもの。
そもそも倒立は学習指導要領に明記され、授業でやらなければならない。
運動会で組み体操を中止しても事故を減らすことにつながるのか」
と疑問を示し、来年度以降の対応を決めかねている。

引用元 産経新聞

「怪我が相次いでいるけど種目を変更するのが面倒だから、危なくても実施?」
運動会準備の段取りの方が、児童生徒の命よりも大事…??

そう考えてしまう教育委員会や先生達って、
保護者からしたらすごく怖いと思いませんか?

自治体の対応

全国的に禁止という訳ではなく、都道府県や市区町村によって、
組体操をするかしないかは意見が分かれているようです。

組体操(もしくはタワーやピラミッド)を廃止した自治体
  • 大阪市
  • 柏市
  • 流山市
  • 野田市
  • 鎌ヶ谷市
  • 東京都
  • 東京都北区
  • 松戸市
  • 金沢市
  • 奈良県
  • 福岡市
  • 北方町
  • 御宿町
  • 香美市
段数を制限した自治体
  • 長久手市
  • 大野市
  • 篠栗町
  • 愛知県
  • 名古屋市
  • 八尾市
  • 静岡県
  • 春日井市
  • 三重県
  • 神戸市
  • 岡山県
  • 岡山市
  • 熊取町

参考元 Yahooニュース「組み体操の事故35%減少 対策の成果と今後の課題」

これら以外は、「ほぼ従来通り」に
組体操は行われている可能性があります。
大きく変わる自治体もあるかもしれないので、
まずはお住いの自治体にご確認ください。
自分の子が怪我や死亡する事態になってからでは遅いです。
保護者は心配なら声をあげましょう。

どうしても学校が危険な競技を敢行するというのであれば、
学校の事故や事件に関して、
精力的に取り組んでいらっしゃる弁護士
の方に相談するのも手です。
法律事務所アルシエン 弁護士紹介 高島惇(外部サイト)

なかでも、兵庫県は組体操にすごく力を入れている地域。
ピラミッドやタワーは段数が増え、怪我人も減っていないとの報告も出ています。
「感動するから」「去年より劣るのはだめだから」と、
見栄えを優先せず、どうか子どもの命を最優先にしてください。

組体操の今後はどうあるべき?

全国の組体操の怪我等について調査をしている
日本スポーツ振興センターは、このように述べています。

指導者となる教員らが組立体操について、
その魅力や教育的価値を考え直している。
しかしその教育的価値が軍隊的なトレーニングから得る
仲間意識や忍耐力だけを求めるものだった場合、
無理を冒してまで頑張らせ過ぎる傾向
になってしまう。
本来、組立体操はもっと楽しい運動であることを指導者らに気づいて欲しい。
威圧的な号令や笛・太鼓の合図の中で、
下を向きながら一人で苦しい顔をして耐えさせるのではなく、
顔を上げて仲間たちと目と目で合図を送ったり、
お互いに声をかけあったりしながら多くの笑顔あふれる発表に
することができたら、
組立体操はもっと教育的価値が上がる教材になるのではないだろうか。

 

運動会や体育祭で行われる組立体操は、
知らず知らずのうちに過去の発表や他校の発表と比較し、
難易度や巨大さを競い合う様に
なってきてしまっていた。

引用元 独立行政法人日本スポーツ振興センター「組立体操の指導における怪我の現状と今後の在り方」

そうです。
日本スポーツ振興センターも、
「組体操の危険すぎる技はすぐに止めて、生徒の心と体の発達のためであれ」
と言っているのです。

  • 組体操は「忍耐力」や「団結力」を求めすぎている
  • 楽しくやればいい
  • 組体操の「目的」は、仲間と作り上げる際のコミュニケーション
  • 多方面への見栄のために派手にする必要はない
  • 発表のための表現的身体活動だけでなく、体づくりのためでもある
  • 体の使い方、バランスのとり方、固定の仕方、
    関節の動き方を知り、体の関心を高める活動でもある
  • 限られた学校の時間の中で、
    初めから難易度の高い技ありきで計画を立てるべきではない

「禁止令」が出る事態になると、
「じゃあ校庭を走るのも禁止なのか!」と極論を言い出す人が現れます。
校庭を走るのは、まともに考えればOKと分かるはずなのですが…。
「何でもかんでも危険と言っていては、子どもが軟弱になってしまう!」
と言う人もいますが、違いますね。

命や生涯を左右するおそれのある場合、最低限の線引きは大人の仕事。
命の安全が保障される環境にするのは、学校の当たり前の責務です。

文部科学省も、例の市長も、各地で禁止を訴えている人も、
もともとは「全面禁止」を言っている訳ではありません。
高すぎる10段ピラミッドや、
頭に負荷がかかり過ぎる人間起こしを止めるように言っているのです。

しかし、その程度問題が理解できず、
法の抜け穴を探すかのように、
危険で新しい技がまた広まってしまいます。
人間起こしを広めたであろう人が、
2018年は「シートとばし」というものの動画を上げています…。
だから全面禁止をせざるを得ないのですね。
まるで新手の詐欺グループとのいたちごっこのよう。

日本社会の大人達を見ていても分かりますが、
運動嫌いな人や、体を動かす機会がなくメタボの人はたくさんいます。
長年日本で組体操や運動会を行ってきた結果が、今の大人の姿です。
健やかな人体に見える大人、そんなに大勢いるのでしょうか?
生活習慣病に罹患する大人も、たくさんいますよね。
教育の成果とは、大人を見れば分かりますよね。

体を動かすことを楽しみ、健康でいられるよう自分の体について意識する。
そういう人間を育てていくためには、
辛く苦しい運動会や組体操の「我慢大会」を変え、楽しくするべきなのでしょう。

まとめ

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関連記事 運動会の「人間起こし」も超危険!専門家が指摘するリスクとは?

運動会の組体操について、大きく動いてきています!

  • 2016年までは、毎年事故が
    8000件以上起こっていて死亡事故もあった
  • ピラミッドやタワーは
    段数を減らしたり禁止したりする地域も出てきている
  • 「辛く苦しい経験から仲間意識を育てる」
    という組体操の意義を見直すべきである
  • 過去の発表や他校などと張り合うために、
    見栄え重視で行われている側面もある
  • 組体操とは、人体の仕組みを学び、
    他者とコミュニケーションを図るためのもの

命の安全は最優先事項です。
学校は、子どもが安心して学べる場所、
親が安心して子どもを通わせられる場所でなければなりません。
どうかご家族やお友だちのご家庭と話し合い、
大人の見栄えのための組体操になっていることに疑問をもってください。

参考 Jcast ピラミッド自粛で人気?組み体操「人間起こし」の危険性 重傷事故も…保護者「やめてほしい」

   産経新聞 「やめる勇気」悩む現場 組み体操事故、神戸で相次ぐ

   MAG2NEWS 危険な9段も。東大阪市の小中学校で組体操ピラミッド強行に怒りの声

   朝日新聞 組み体操、喝采沸く「カシオペア」 高さ求めず事故急減

   現代ビジネス 国連も問題視する「組み体操が、それでも巨大化しているナゾ

   現代ビジネス これは何かの冗談ですか? 小学校「道徳教育」の驚きの実態

   YAHOOニュース 組み体操の事故35%減少 対策の成果と今後の課題

   日本スポーツ振興センター 組立体操の指導における怪我の現状と今後の在り方

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